隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
涙のキスは甘く激しく
チャイムが鳴った。
校庭に、つい先ほどまでしゃがんでなにか話しこんでいた二人の姿はなく、代わりに先輩クラスの体育の授業が始まろうとしている。
……びっくりした。
なんで優成と朔耶が……
「授業始めるぞー席つけー」
三田先生が教室に入ってきてみんなが自分の席につくけど、隣の席だけ持ち主がいない。
「……ん? 酒々井は?」
「校庭で裸足でチャンバラして足汚れたから洗ってから来るそうでーす」
「なんだそりゃ。 ったくしょうがねぇなーあのマイペースくんは」
先生は呆れつつも特に怒る気配もなく、教科書を開いて授業を始める。
わたしは言われたページを開きながら、頭の中では剣を向け合う二人の姿が占拠している。
優成と朔耶、なんで二人でチャンバラしてたんだろう。
それに……優成は、なんでわざと負けたんだろう。