隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「銃持ってる人いる」

「先生たち縄で縛られてるんだけど……！」


　みんな中に入るのを躊躇っているのか、列の動きが止まった。

　すると、中から銃声が響いた。


　キャー！わー！と悲鳴が上がり、みんな一斉に体を縮こめる。


　そして拡声器を通した男の人の声が体育館に響く。


「殺されたくなかったら黙って中に入って、そこに座れ」


　恐る恐る動き出した前の列に続いて中に入ると、見えたのはステージ上に立つライフル銃を持った人たち。　目だけが見える黒い目出し帽を頭からかぶっている。

　同じ黒のジャケットを着たその人たちは、ある人はこちらに銃を向けて、ある人はステージ上で縛られ座らされている先生たちに銃を向けている。

　見たところ怪我をしてる人はいないので、先ほどの銃声は威嚇射撃と見てよさそうだ。


「えー？なにこれ劇ー？」


　まだ本物じゃないと踏んでる誰かが言って、一部の人があはは！と笑った。

　すると、ステージ真ん中の拡声器を持つ男が再び発砲した。


　ドォン！！


　撃たれた体育館の大時計が落下して、そこら中から悲鳴が上がる。

　
「本物だよ、バーカ」