隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
 それを皮切りに、体育館は大パニックと化した。

 もうこれがドッキリだと思ってる人は誰もいない。 抱き合って悲鳴をあげる女の子たち、体育館から逃げようとする人、腰が抜けてしまう人。 誰も冷静になんかなれなくて、わたしも美紗ちゃんと抱き合ってその場にしゃがみこんだ。


「うるせぇ!!静かにしねぇと殺すぞ!!」


 拡声器をハウリングさせながら響いた声で、体育館は一気に静寂に包まれた。


「全員、中央に集まって座れ。 生き残りたければ言うことを聞け! 次うるさくしたやつから殺していくからな!」


 みんな息を吞んで、言われた通りに中央に集まって座る。

 しばらく生徒が体育館にやってくるたびに同じようなことを繰り返して、全校生徒が集まると、さっき喋っていた真ん中の人とは違う人が拡声器を持った。


「えー、僕たちは政府宛に声明を出します。 この学校の職員並びに生徒全員、皆殺しにされたくなければ総理大臣をここに連れて来い、と。 もちろん君たちを助ける代わりに総理大臣には死んでいただきます」


 わたしたち全員か、総理大臣を殺すってこと……!?


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