隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
「僕たちの望みは、日本の歪みを直すこと。 この国は腐りきってる。 大きな他国の糞に成り下がり、この国のトップにいるのはアホ面してふんぞり返って贅沢している政治家ばかりだ。 そんな馬鹿どもの言いなりになって終える人生なんて、死んだほうがマシだ。 そこでだ。 そんな政治家たちを全員椅子から引きずり下ろし、代わりに僕たちのボスがその椅子に座る。そしてこのバカみたいな国を変えるんだ。強くてかっこいい国にね」

 なんて強引で、暴力的な思想だろう。 強くてかっこいい国って、なに?
 こんなテロ行為をする人たちが国のトップに立ったらと思うと、ゾッとした。


「残念ながらきっと、総理は君たちを見捨てるだろう。 あいつらは自分を守ることしか考えていないからね。 革命ってのはね。 とても体力がいるものなんですよ。 多少の犠牲は仕方ない。 これからの日本を担おうとしている君たちを殺して、まずは僕たちの存在を日本に、そして世界に知らしめるんだ。 むしろ光栄なことなんだよ」


 ……要はわたしたちを生きて返す気なんてないんだ。


「面白いよね。 君たちのお父さんお母さんたちは自分たちの事なかれ主義、見て見ぬふりを貫いてきた過去のせいで大事な我が子を失うんだから。 あぁ~ぞくぞくする。 ……とまあ、おしゃべりはこの辺にして。 やりますか~!」


 明るい声で言うテロリストに、みんなが体を縮こませた。


「ヒャッハー!」


 変な奇声をあげたテロリストの一人が下に降りてきた。 悲鳴を飲み込み怯えるみんなの間を吟味するように練り歩く。


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