隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
それはわたしのお姉さまである第一王女、アリシアの二十歳の誕生日を祝う舞踏会の最中でのこと。
広い宮廷に優雅なワルツが響く中、来賓の男性たちは皆『天空から舞い降りた女神』と称されるお姉さまの、薔薇の花束のようなドレス姿に夢中だった。
忙しそうなお姉さまをよそに、ピンクのフリルドレスを着せられたわたしは、執事のマートンの目を盗んで美味しそうなベリーに手を伸ばしているところで。
額に視線を感じて、ベリーに緩み切っただらしない顔をあげた。
すると、豪華なごちそうが並ぶテーブルをひとつ、ふたつ挟んだ先で、その瑞々しいエメラルドグリーンの瞳がおさまる三白眼につかまってしまったのだ。
彼は、そこに立っているだけで気品が内から滲み出ているような男性だった。
人目を引く銀色の髪はしなやかに艶を帯び、目鼻立ちのくっきりとした端正な顔立ちは華やかで、彼が着ている青地に金刺繍の贅沢な衣装にも見劣りしない。
なにより、その三白眼には誰もが魅入ってしまいそうな魅力があった。
一度絡めとられたら逃げ出せない、誰もが服従してしまいたくなるような、そういう強引な力があるように思えた。
そんな目で、静かにわたしを見つめている。
彼に声をかけたそうにする女性たちにも、誰よりも美しいお姉様にさえ目をくれず、私だけをまっすぐに見つめている。
彼が何を思ってそうしているのかは分からない。
スッと横線を引く控えめな唇からも、頑として揺れないその瞳からも、彼の気持ちは汲み取れない。
「っ……、?」
そして、私の体はおかしくなっていった。
広い宮廷に優雅なワルツが響く中、来賓の男性たちは皆『天空から舞い降りた女神』と称されるお姉さまの、薔薇の花束のようなドレス姿に夢中だった。
忙しそうなお姉さまをよそに、ピンクのフリルドレスを着せられたわたしは、執事のマートンの目を盗んで美味しそうなベリーに手を伸ばしているところで。
額に視線を感じて、ベリーに緩み切っただらしない顔をあげた。
すると、豪華なごちそうが並ぶテーブルをひとつ、ふたつ挟んだ先で、その瑞々しいエメラルドグリーンの瞳がおさまる三白眼につかまってしまったのだ。
彼は、そこに立っているだけで気品が内から滲み出ているような男性だった。
人目を引く銀色の髪はしなやかに艶を帯び、目鼻立ちのくっきりとした端正な顔立ちは華やかで、彼が着ている青地に金刺繍の贅沢な衣装にも見劣りしない。
なにより、その三白眼には誰もが魅入ってしまいそうな魅力があった。
一度絡めとられたら逃げ出せない、誰もが服従してしまいたくなるような、そういう強引な力があるように思えた。
そんな目で、静かにわたしを見つめている。
彼に声をかけたそうにする女性たちにも、誰よりも美しいお姉様にさえ目をくれず、私だけをまっすぐに見つめている。
彼が何を思ってそうしているのかは分からない。
スッと横線を引く控えめな唇からも、頑として揺れないその瞳からも、彼の気持ちは汲み取れない。
「っ……、?」
そして、私の体はおかしくなっていった。