隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 それからエミリアと二人、そっと廊下に抜け出した。

 エミリアはなんの疑いを持つことなく、俺の後ろをついてきている。

 このあとの計画はこうだ。

 まず、殺し屋たちが息をひそめて見守るテラスに彼女を連れて行き、彼女の額に銃を突き付ける。
 後ずさるだろう彼女に追い打ちをかけるふりをして室内に誘導し、ベッドに倒れさせて空砲を撃ち、殺し屋たちに作戦遂行を悟らせる。
 その一瞬の油断を狙って、外側から援護予定のマートンと共に殺し屋たちを撃ち落とし、戦闘不能にさせて任務完了だ。

 この任務が終われば、また俺は彼女の陰になる。

 今後、彼女と話すことはない。 目を合わせることもない。

 たとえ今、彼女が俺に好意を寄せてくれていたとしても、だ。



 ――残念ですが 君があの方と結ばれる未来はありません



 ……わかってるよ、マートン。



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