隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 ……好きだ。

 どうしようもなく好きだ。


 込み上げた気持ちが、決して許されないだろう願望を俺の中に生む。


 このまま彼女を抱きしめてしまいたい。

 その手を引いて、どこかに連れ去ってしまいたい。

 彼女の笑顔を、すべてを、独り占めにしたい。

 
 ……なんて、もちろん思うだけだ。

 少し、そんなことを思ってみただけだ。


 そして俺は、この夢みたいな時間を終わらせるべく彼女の額に銃を突きつけた。


「……?」


 キョトンとする彼女に俺は、他の殺し屋にはバレないように小声で『あなたを助けたい』『撃たれたフリをしてください』と言おうと、息を吸った。

 
 ……その時だった。

 目の前の彼女のこめかみに、銃弾が撃ち込まれた。


「……え?」

 
 彼女は糸を切られた操り人形のように地面に崩れ落ちた。

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