隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
「ヨルゴ!!」


 マートンがドアを蹴破って入ってきて、俺の背後に迫っていた殺し屋の一人を撃って仕留めた。


「ヨルゴ……! もうやめてください!」


 マートンは心臓マッサージを続ける俺の手をとめて、両肩を持って揺さぶる。


「わかるでしょう……! もう、エミリア様は……っ」


 そう訴えかけるマートンの目から、涙がホロ、と一粒落ちた。

 何があっても取り乱さなかったマートンのその表情で、すべてを理解する。


「っ……、だめだ」


 それでもその現実を受け入れたくなくて、首を左右に振る。


「そんなこと、許されない」


 冷たくなっていく彼女に自身の体温をあげようと、抱きしめてその背中をさすった。

 初めて腕の中に閉じ込めた彼女は、想像するよりずっと細くて柔らかくて。

 愛おしくて尊くて、涙が溢れた。

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