隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
 ……そう思ってたのに。

 越谷ひまりはかなりウザかった。


 『わたし、酒々井くんと友達になりたい!』

 『呼びづらいから優成って呼ぶことにしたっ!』


 ズカズカと懐に入ってくる。

 
 『それでも好き』 『優成が好き』

 
 そしてまた、恋に落ちてしまった。


 出来なかった続きをできるかもしれないって思ったら、自分の感情を抑えることができなかった。 もう誰も愛さないと硬く誓ったはずだったのに。


 だから、バチが当たったんだ。


 ――運命は変えられないってこと?


 ……うん。どうやらそういうことみたいだ。


 ――君があの方と結ばれる未来はありません


 マートンの言う通り、残念ながら、俺たちが結ばれる未来はないらしい。

 今回はこれでお別れ。

 もしまた次があったら……今度はもう、会えなくてもいい。

 俺なんかと恋しなくていい。

 君がどこかで幸せに笑って暮らしてくれていたら、それでいいよ。




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