隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
世界一尊い恋をする。
「一週間後だって」
優成のベッド横のテレビで、行方不明だった鈴井管理官がハワイで見つかり「サボりたかったから」とコメントして各界から反感を買ったというニュースに、なにはともあれ無事でよかったね、と微笑ましい気持ちになっていた時だった。
「えっ? ……なんて?」
「だから。 一週間後、退院」
診断の結果、優成は一週間後に退院することになったらしい。
「えっ」
病院のベッドで優成は、運ばれてきた食事をさも当然のように口に運んでモリモリ食べている。
ちなみに昨日まで、生死をさまよっていた人である。
「一週間? そんなことある? 手と肩とわき腹撃たれたのに?」
「これでもスパイ歴前世と合わせると十年くらいになるんで」
「え?」
前世と合わせるとって……
「前世、殺し屋じゃないの?」
「んー……半分?」
「半分?」
「まぁその辺はいいじゃん」
ニコッと微笑まれてしまうと、惚れた弱みか、それ以上追及できなくなってしまう。
「ていうか、どうして言ってくれなかったの? 公安警察だったなんて!」