隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
 ドキン、ドキンと胸が高鳴る。

 あの日の満月が、鮮明に蘇る。

 夜の風の感触、ヒラヒラと舞い落ちる薄桃色の花びら。

 目の前の彼に生まれる、恋の息吹。


「ずっと前から……たぶん、あなたが想像するよりずっとずっと前から、俺はあなたに恋をしてた。 でも、絶対叶わないと思ってた。 叶っちゃいけないものだと思ってた。 それでも知れば知るほど、この気持ちはどんどん大きくなって、抑えきれなくなっていった」


 胸が苦しい。 鼓動がどんどん速くなって、顔が熱い。

 わたしの中にある恋心が、ヨルゴの尊い想いに触れて、涙腺を刺激する。


「きっと今死んでも、俺はまた来世であなたを見つけると思う。 そして、きっとまたあなたに恋をする」


 彼は、わたしの手の甲にそっと口付けを落とした。


 いつかまた突然に終わるかもしれない世界で、あなたに出会えたことが、あなたと同じ気持ちになれたことが、こんなにも尊い。

 あなたがくれたように私も、世界一尊いこの気持ちをあなたにあげたい。


「……好きです。ずっと前から好きでした。これからもきっと……ずっと好きです」


 涙が溢れて前が見えなくなるけど、わたしはコクコクと頷いた。

 優成がハハッと笑って、優しくわたしを引き寄せる。


 そして優しく、優しく愛に満ちたキスをした。






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