隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
 ブラックライトで照らされた暗い部屋は、ブラウン管テレビと革張りのソファと、黒い天板のローテーブルが置かれている。

 部屋には男女合わせて4人。

 全員が俺に視線を向けている。

 ピアスやタトゥーをてんこ盛りにしたピンク髪の派手な男、ガムをクチャクチャさせる大柄なスキンヘッドの強面な男、ねっとりとした視線を寄越す化粧が濃い目の女、ポロシャツを着て眼鏡をかけ腕を組む地味な男。

 なんて治安の悪そうな空気なんだ。

 ブラウン管テレビにはカラーバーが映し出されていて、その右上には小さく〝No.01〟と表示されている。

 
『遅かったね』


 変声機で高く変えられた無機質な声がテレビからして、画面が揺れた。


「すいません。 電車寝過ごして」


 テキトーな言い訳を返すと、ソファで足を投げ出して座っていたピンク頭の男が立ち上がった。
 

「ヒャハッ!何コイツ!新人?」


 下品に笑いながら俺の周りにまとわりついて、上から下までを品定めする。

「ちょっとちょっと、こんなしょんべん臭いガキと一緒に仕事しなきゃなんないの?すっげぇやなんだけどー」


 プッと唾を吐いてみせたピンク頭に、鼻で笑いそうになるのを、こらえる。


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