隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「……おい。口慎んだ方がいいぞ、３２番」


　そう口を挟んだのは地味眼鏡の男。
　

「あーん？」

「そいつの番号見てみろ」
　
「あ？」

「0番台だ」


　ピンク頭はハッと俺の手首を返した。


「……！」


　そして、すぐさま離す。

　ここにいる人間の手首の内側には全員、ブラックライトに当たると浮き出る番号が書かれている。


「は……！？０３！？お前が！？」


　つい数秒前まで俺をバカにしていたピンク頭が目を丸くして畏怖を滲ませる。

　俺は目を細めて愛想笑いをする。


「恐縮でーす」


　この数字は、いわゆる序列。

　数字が小さければ小さいほど、この組織では地位が高いことになる。

　つまり俺はこの組織の中で、三番目に能力が高いということ。

　さっきからはしゃいでるピンク頭が３２番、スキンヘッドの大男が２７番、ケバいお姉さんが４１番で、ポロシャツ眼鏡が１８番。

　組織の全貌は知らないけど、少なくとも４１人はメンバーがいるということになるんだろう。