隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
「ん?」

「名前呼びになってるし」

「うん! 酒々井くんって長いし呼びづらいから優成って呼ぶことにした!」

「……」


 優成は返す言葉がないのか、絶句している。

 仲良くなろうって決めたからには、まずは呼び方から変えていくのがいいかなって。

 今朝玄関を出る前から頭の中で優成呼びを練習してきたんだよね〜。


「……まあ別にいいけども」


 ひたすらヘラヘラ笑うわたしに優成は興味をなくしたのか、スマートフォンに視線を戻した。


「あっ、わたしのこともひまりって呼んでいいよ~!」


 優成がピクッと反応して、再びわたしに視線を向けた。


「……」

 
 優成はスマートフォンを机に伏せるようにして置くと、体をわたしの方に向けて前のめりになり、じっと見つめてくる。


「っ……?」


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