神様の神様
「話はそれだけ?帰るよ。」
私はそう言って居間を出た。
「花菜様お待ちください!!」
後ろを振り返ると初さんが私を追いかけてきた。
「これ、お守りです。ここの神社にひとつしかない大切なお守りです。」
「なんでこれを私に……?」
「花菜様ならきっと大切に持っていてくれる。と言っておりましたよ。」
あの神様か……。
「いいんですか、こんな大事なもの。」
「はい、私も花菜様に持っていて欲しいです。またいつか出会えるように。」
初さんはにこっと笑って私の手にそっとお守りをおいてくれた。
「ありがとうございます、お元気で。神様にも。」
「はい、お元気で。」
私はそう言ってうしろを振り返らず屋敷を出た。