クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

「ねぇ凪緒。またキスしてほしい?」

「そ、れは……っ」


そんなの、答えは決まってる。
先輩だって私が何を言うか分かってるくせに、


「ふっ。それは?」


こんな意地悪な顔して笑うんだ。


「キス……、してっ」


プライドも何もかも捨てて、ただキスをねだる私。

だけど、顔を赤くした私に先輩が言う事は……。


「じゃあ〝ごめんなさい〟って言えたらね」

「ふ、ぇ……?」


ん?
なんで謝らないといけないの?
私、なにか悪い事した?

という気持ちが顔に出ていたのか、先輩の顔に影が落ちる。かと思えば、今までゆっくり動いてた指を、いきなり素早く上へと走らせた。

スッ


「ひゃうっ!」


その刺激は、私にとって息苦しいほどドキドキするもので……。体の熱がどんどん上がり、のぼせていく。
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