クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
「え……」
スッと、時山先輩の瞳が鋭くなる。
現在、廊下に二人きり。委員会が終わった後、他の人はみんな帰ったか、各々の部活に行ってしまった。
そういう時を、わざと狙ったんだろう。
この瞬間を、待っていたんだろう。
今、私の瞳に写る時山先輩は、マドンナとは無縁の表情だった。人の欲が全面に出た、醜い顔に変わってしまっている。
そんな彼女の瞳に移っていたのは、苦痛に歪む私の顔。それは劣勢に立たされた、敗者の顔つきそのものだった。
だけど「苦しむのはこれからよ」と。
時山先輩は、私の顔の前に自分のスマホをかざす。
画面に写っていたのは……
「委員会の時、隣の男子とキスしてましたって、城ケ崎くんにメールしていい? この写真と一緒に」
スッと、時山先輩の瞳が鋭くなる。
現在、廊下に二人きり。委員会が終わった後、他の人はみんな帰ったか、各々の部活に行ってしまった。
そういう時を、わざと狙ったんだろう。
この瞬間を、待っていたんだろう。
今、私の瞳に写る時山先輩は、マドンナとは無縁の表情だった。人の欲が全面に出た、醜い顔に変わってしまっている。
そんな彼女の瞳に移っていたのは、苦痛に歪む私の顔。それは劣勢に立たされた、敗者の顔つきそのものだった。
だけど「苦しむのはこれからよ」と。
時山先輩は、私の顔の前に自分のスマホをかざす。
画面に写っていたのは……
「委員会の時、隣の男子とキスしてましたって、城ケ崎くんにメールしていい? この写真と一緒に」