クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
「仕事の事で分からないことがあってね。私の家に来てほしいの。一週間、泊まり込みで」

『それはまた……何をやらかしたんですか』

「えぇ、そんな冷たいこと言わないで? あ、家の前にいてくれる? すぐに迎えの者を行かすね」

『俺いま風邪を引いてるので、移すかもしれないですよ?』

「医者に見せる。看病もバッチリ任せて? 仕様人に手厚くさせるわ。それに……人に移せば早く治るっていうじゃない?」


「っ!」


そんなの「イヤらしいことをしましょう」って言ってるようなもんじゃん。

嫌だ、頷かないで先輩。賛成しないで!


「先輩は今朝まだしんどそうで、んっ!!」

「あなたは黙ってて。邪魔をすると、城ケ崎家にとって悪いことが起こるわよ?」

「っ!」


ニッと笑う時山先輩。あぁ、この笑顔は……やっぱりマドンナなわけがない。

この邪悪な顔は、瞳は――悪魔と一緒だ。


『……わかりました。家の前で待っておけばいいんですね?』
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