クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
「んっ⁉」


車の中、突然のキス。

広い後部座席をいっぱい使って先輩は私を押し倒し、キスの雨を降らせた。


「せ、先輩どうし、んっ」

「凪緒、もっと」

「はっ、ぅ……」


先輩が自ら私にキスしてくるなんて、これは夢?

前に安井さんいるから、やめないといけないのに――目の前に先輩がいるのが嬉しくて、手を伸ばせば簡単に触れる距離にいるのが幸せで、つい「もっと」とせがんでしまう。


「凪緒、口を開けて、」

「ん、あ ぅ……っ」

「そう。いい子。そのまま――」


先輩の熱は鳴りやまず、私の鼓動も激しくなる。

呼応し高ぶる欲求を止める術を持たない二人は、


「ひゃ、先輩……そこ、はっ」
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