クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

「泣くくらいなら、質問しなきゃいいのに」

「それは、その通りなんですがぁっ」


どうしようもなく興味が湧いてしまって。
ほら、怖いもの見たさって言うじゃないですか。


「そういうのに近いんです! 先輩が私に〝興味ある〟なんて、UFOや宇宙人を見るくらいありえない事で、」


と叫ぶ私に、先輩は再びため息をつき「うるさい」と。私に顔を近づけた。

そして――


「え、……んっ!」


私に、キスをした。

……へ?

ありえない、ありえない。
だって、


――私に興味があるならキスしてください


って言ったのに、それでもキスしたなんて。

城ケ崎先輩に限ってありえないよ。
そうだ、何かの間違いだ――!

って思ったけど。


「言っとくけど、勘違いじゃないから」

< 186 / 291 >

この作品をシェア

pagetop