クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
「泣くくらいなら、質問しなきゃいいのに」
「それは、その通りなんですがぁっ」
どうしようもなく興味が湧いてしまって。
ほら、怖いもの見たさって言うじゃないですか。
「そういうのに近いんです! 先輩が私に〝興味ある〟なんて、UFOや宇宙人を見るくらいありえない事で、」
と叫ぶ私に、先輩は再びため息をつき「うるさい」と。私に顔を近づけた。
そして――
「え、……んっ!」
私に、キスをした。
……へ?
ありえない、ありえない。
だって、
――私に興味があるならキスしてください
って言ったのに、それでもキスしたなんて。
城ケ崎先輩に限ってありえないよ。
そうだ、何かの間違いだ――!
って思ったけど。
「言っとくけど、勘違いじゃないから」