クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

眉間にシワを寄せた先輩が、乱暴に放った言葉とは反対に。熱いものが、グイっと強く、だけど優しく入ってくる。

同じものが触れ合った瞬間、気持ちよくてゾクゾクして、思わず声が漏れた。


「んぅ、……っ」

「さっきの質問だけど」

「ひゃっ」


口が離れたと思ったら、今度は耳。

聞いた事ない色気を含んだ声で話され、頭の中にモヤがかかる。

もう何も考えられないってくらい、頭の中、先輩だらけ。


「こう見えて、俺は怒ってるから」

「ん……、え?」


先輩が怒ってる?
でも……、何に?

先輩の言う事が分からず目を泳がせていると、すぐ悟られた。先輩は不機嫌な顔で、親指の腹を使って私の唇をスイッと撫でる。


「〝ココ〟を俺以外が触ったこと、忘れたの?」

「唇……あ、あぁ!」


笹岡との事故チュー!!

そう言えば時山先輩に激写された挙句、城ヶ崎先輩へ写真を送信されたんだった!

あれ?
でも……
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