クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

これが「惚れた弱み」って言うのかな?
すごい癪だけど……!


「んー、このまま先に進んでもいいけど、ムードがなぁ。やっぱ新しい下着つける? ちょっとは盛り上がりそう」

「こ、のクズ男……!」


前言撤回。

やっぱりこんなクズ男の事、何とも思わない。ただ不快なだけ……!


「入居早々、もう出て行きたくなりました……」

「俺の婚約者は根性がないなぁ」

「…………婚約者」


そういえば、さっき、


――婚約者が困ってる時に助けないほど、俺は冷徹ではないんでね


「一応、私を婚約者と思ってくれてる……のかな?」


私は他の女の子とは違うんだって思うと……少しだけ、嬉しくなってしまった。

あぁ、私ちょろすぎる……っ。


「って先輩、何してるんですか?」

「何って、脱がせてるんだよ。下着を着替えなきゃでしょ?」

「こんの、変態!」


今度こそ、パシッと下着を叩き落す。

すると先輩は「残念」と、妖艶な動きで唇をペロリと舐めた。

その動作を間近に見てしまったからか、なんなのか。

また胸の奥が、性懲りも無くぴょんと跳ねた。


< 22 / 291 >

この作品をシェア

pagetop