クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
これが「惚れた弱み」って言うのかな?
すごい癪だけど……!
「んー、このまま先に進んでもいいけど、ムードがなぁ。やっぱ新しい下着つける? ちょっとは盛り上がりそう」
「こ、のクズ男……!」
前言撤回。
やっぱりこんなクズ男の事、何とも思わない。ただ不快なだけ……!
「入居早々、もう出て行きたくなりました……」
「俺の婚約者は根性がないなぁ」
「…………婚約者」
そういえば、さっき、
――婚約者が困ってる時に助けないほど、俺は冷徹ではないんでね
「一応、私を婚約者と思ってくれてる……のかな?」
私は他の女の子とは違うんだって思うと……少しだけ、嬉しくなってしまった。
あぁ、私ちょろすぎる……っ。
「って先輩、何してるんですか?」
「何って、脱がせてるんだよ。下着を着替えなきゃでしょ?」
「こんの、変態!」
今度こそ、パシッと下着を叩き落す。
すると先輩は「残念」と、妖艶な動きで唇をペロリと舐めた。
その動作を間近に見てしまったからか、なんなのか。
また胸の奥が、性懲りも無くぴょんと跳ねた。