クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
そっか……。
時山先輩、まだ諦めてなかったんだ。
――絶対に私のものにして、家も会社も権力も、ぜぇんぶ時山家の物にするんだぁ
時山先輩の止まらない野心。それは私と先輩にとって、脅威そのもの。
バタン
電話を終えた時山先輩は、教室から出て行った。良かった、見つからなかった……。
だけど、さっきの会話――
「〝彼なら学校で上手くやってる〟って言ってた。ということは、校内に時山先輩の協力者がいるんだ。その人を見つけないと!」
これは、きっと会社の危機だ。以前、城ケ崎先輩が時山先輩の企みを未然に防いだように――私も、丸西家と城ケ崎家を守らなきゃ!
「そのためにお父さんと勉強したんだし。そのお父さんから、さっきエールをもらったばかりだしね」
よし、とガッツポーズをした、
その時だった。
ガラッ
「見つけた」