クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
「つまり、一位の時山家を引きずり下ろすために、二位の城ケ崎家と三位の丸西家が手を組んだ、って事ですね」

「俺が言ったことを繰り返しただけじゃん」

「……」


朝、タブレットでニュースを確認しながら、コーヒーを飲む城ケ崎先輩。

涼しい顔で嫌味を言われ、ムカッ。


「だから、俺たちの結婚は形だけだから。

昨日も言ったように、俺は俺で好きにするし、アンタはアンタで好きにしたらいい」

「好きにって……」

「いくらお嬢様だからって、好きな奴くらいいるでしょ? ソッチに行けって言ってんの」

「……」


また、ムカッ。

口が裂けても言わないけど、私の好きな人って……あなただったんだよ、城ケ崎先輩。

悔しいから、口が裂けても言わないけど(二回目)。


「恋なんてしません。虚しいだけだから」

「……へぇ、随分知った事を言うね」
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