クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
【 登校三日目 】
「花チームの実行委員、横断幕が提出されてないけど、どうなってるー?」
「へ⁉」
「明日には飾るから、急いでね」
ニコニコ顔の実行委員長に「明日⁉」と叫んでしまったのは無理もない。
だって横断幕……まだ三割くらい空白なんだもん!
「ごめんね~、凪緒ちゃん。私たちがデザイン決めに時間をかけちゃったから」
「で、でも、それだけ考えてくれたって事だよね? じゃあ、きっと最高の横断幕が出来るよ! みんなで終わらせれば間に合うから最後までがんばろうッ」
「そうだな、よし! じゃあ俺がひとっ走りしてアイス買ってくる! みんな待ってろ!」
「凪緒ちゃん、笹岡くん……、ありがとうっ」
そして下校時刻を少し過ぎた時、横断幕は出来上がる。みんなでハイタッチして、帰りの自動販売機で乾杯をした。
のは、いいんだけど――
ガチャ、パタン
「い、忙し過ぎて、調査どころじゃないんですけど……」