クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
「じゃあ実家で猛勉強してたのは」
「響希さんに追いつくためです。少しでも役に立てるなら……って」
「やっぱ……凪緒はバカだよ。大バカもの」
「ッ!」
ひ、ひどい。
ひどいひどい、ひどい!
私がどれだけ悩んで努力したか、知りもしないで!
「響希さんは、何も知らないから……っ。どれだけ私が、」
「だけど、凪緒も何も知らない。分かってないよ」
「え……、何を、ですか?」
すると響希さんは、私と体を離す。
そして間髪いれずに、
「んんッ」
私にキスをした。