クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
「う……っ。その言い方はダメージを負うのでやめてください、芹ちゃん」


最悪な朝ごはんが終わって、学校に登校。

もちろん、


『分かってると思うけど、一緒に登校なんてしないからね』


と先輩に念を押され……。

一人で寂しく、トボトボ歩いてきましたとも。


「にしても、あんなにキャーキャー言われてる王子様が、まさかそんな裏の顔を持っていたとはね」


表情を変えずに言う芹ちゃん。

先輩の二面性を知ってなお、冷静でいられることが羨ましい。

私なんて、キスマークがついた上半身裸の先輩を見た時は、混乱の極地だったよ……。


「私も芹ちゃんみたいにドライになりたい……」

「いや、私はもともと城ケ崎先輩に興味がないだけだからさ。

ってか凪緒だって、もう興味ないでしょ?

これまで通り好きでいるなんて無理じゃない? 最低でクズな性格って分かった事だし」

「う、う~ん……」


その通り、なんだけど。

こうして芹ちゃんと話してる間も、私は違う校舎を見たり、運動場を見たり。

そうやって、先輩の姿を探してしまう。
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