クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
「え……、あ!」


――もし凪緒が隠し事をしてたら、ウソがバレた日から同じベッドで寝ようか

――それか凪緒のウソつきが判明した瞬間、その場で


外では言えないキス以上のことをしよう――と、私に持ち掛けた話!

もちろん、忘れてません!

え、でも……


「〝今〟ですか?」


外では言えないキス以上のことを、ドアの壊れた図書室で、ですか⁉


「そ、そそそれはいけません! せ、せめて、お、お家で……!」

「……ぷっ」


両手で胸の前をガードすると、響希さんが吹き出した。

次に、優し過ぎるくらい優しい笑顔で、私に向かってほほ笑む。

そして――


「じゃあ帰ろうか、二人だけの家にね」


私をお姫様抱っこして立ち上がる。

わ、良かった。
今日は、家に帰って来てくれるんだ。

家……。

そう言えば、響希さんが家にいるのって……久しぶりだ。

嬉しくて、ドキドキして。

思わず、ちらっと響希さんを見つめた。
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