クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
「響希さ……じゃなくて。響希」


各チームの点数ボードを眺めていると、突然。響希が現れた。


「まだ慣れないの? その呼び方」

「だって、敬語だって、まだ取れないのに……」

「ベッドの上じゃ、あんなに〝響希〟って呼んだのにさ」

「わー! ストップストップ!!」


実行委員の私が大声で「ストップ」と言ったため、全ての協議が一時中断となる。

ご、誤解です! 続けてください!――と叫ぶと、何事もなかったように競技が再開した。


「く……っ、くくっ」

「なに笑ってるんですか! それに、公衆の面前ですよ! あんな言葉は謹んでくださいっ」


すると響希の、面白がる嫌~な笑み。


「あんな言葉って、どんな?」
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