クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

ち、力が強い! ふりほどけないし、手で口をふさがれてるから声も出せない!

しかも私の周りに、五人全員がピッタリくっついてる。周りから見たら、真ん中に私がいるって分からない。

やばい、ヤバいやばい!
バイクに乗せられたら、終わりだよ!


「はい、じゃあバイクに跨ってねー。言っとくけど、暴れて落ちたら、その可愛い顔が半分なくなるから覚悟してね」

「……っ!」


顔が半分なくなるって……それは地面に落ちた衝撃で? それとも、あなた達に殴られて……?

どちらにしろ、顔がなくなるのは嫌!


「……~っ」


怖くて、抵抗も何も出来なくて。
強く目を閉じることしか出来ない。

すると体がふわりと浮いて、足が地面から離れる。

あぁ、次にはきっとバイクに乗せられるんだ。
それで知らない場所へ連れて行かれるんだ。
そして、その後は……


「……~っ、うぅっ」

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