クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

「なぁ丸西」

「ん? なに?」

「どうして俺ら、体育祭の実行員になったんだ?」

「ブーッ!」


笹岡がそれ言う!?
自分でも分からないまま実行委員になったの!?


「ゲホ、ゲホッ!」


スーパーを出た近くの公園で、さっき買ったジュースを飲んでいた私たち。

私の炭酸レモンジュースは、吹き出した事により、たった今なくなった。


「なに吐いてんだよ丸西!」

「ご、ごめ! でも笹岡が変なことを言うから、ゲホ、ゲホ!」


炭酸が変な所に入って、思わずむせる。

あぅ、喉がヒリヒリする~……っ!

すると苦しんでいる私をみかねた笹岡が「これを飲め!」と自分のジュースを寄こした。


「俺のも炭酸だけど、きっと大丈夫だ!」

「ま、まって、……うっ!?」


ペットボトルの口を強引に口に入れられ、仕方なく飲むはめに。

炭酸で困ってる人の口へ炭酸を入れるのは禁止だよ!? 笹岡‼

すると、案の定「ぶへッ」と。笹岡のくれたジュースも吐き出してしまう。


「おい丸西、大丈夫かよ! 顔ビショビショだぞ!?」
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