クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

見ると、本当にラベルに連絡先が書いてあった。

笹岡スゴイ、いつの間に!


「分かった! じゃあ登録したらメール送るね」

「おう、待ってる!」


そして私たちは手を振り合い、その場で分かれた。

私は来た時と同じ、五分の時間をかけ部屋に戻る。

出かけた前と後ろで違うのは……

白のワンピースが、白と赤色のまだらになったこと。

そして笹岡が譲ってくれた、タイムセールでゲットしたお肉を持っていること。


「これで何を作ろうかな~」


上手にできたら先輩が「美味しいじゃん」って言ってくれるかな?


「それで、またキスなんて……キャー!」


エレベーターのボタンを押しながら、甘い妄想が膨らむ。


「どうか先輩が、昨日みたいに狂った先輩でありますように。ツンデレの〝デレ〟を発動してくれますように!」


だけど、私は知らなかった。


「……ふぅん」


グシャ

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