ぴか★すき
「こんな暗いとこで、
人通り少ないとこで、
片山さんの足触って、

何してんの?六哉。」



冷めていった体温が、どんどん上がってゆくよ。

あなたの声を聞くだけで。



「とっ…灯耶じゃん!
てっ、てゆうか、見ればわかるだろ、
付き合ってんだよ、俺たち!」



嘘。
嘘だよ、こいつの言葉は!

そうやって叫びたいのに、声が出ない。

私が自分の喉と悪戦苦闘してると、大目くんが私をちらっと盗み見た。





——なんの根拠も無いけど。
そのとき私は、「気持ちが通じた」って思ったんだ。

だって、目が合ったときの大目くんの瞳は、本当に、私だけを見ていたんだ。


私だけを見て

「大丈夫」って感じに

きらって

光ったんだ。


そして大目くんは、六哉の隙をついて私の右手を引っ張ると、
私の肩に手をまわし引き寄せた。






< 116 / 180 >

この作品をシェア

pagetop