ぴか★すき
呼吸を無意識のうちに整えながら、僕は携帯を耳に当て直す。
「…片山さん?」
『……はい』
片山さんの声は僕の耳の中でどんどんとにじんでゆく。
片山さんの顔はさっきよりはっきりと見えてきて
片山さんが服の裾を強く握っていることに気がついた。
「聞きたいことが、あるんだけど」
『…なに?』
あ〜、もう。
いつも片山さんのことばっかり考えちゃうのに、
その度「片山さん」って呼ぶの面倒なんだよね。
だから、
だからさ。
「梨柚って呼んでも、い?」
お願い、
俺を
拒まないで。