ぴか★すき
「本当は…本当はね?

私が先に…ひっく……言いたかったんだよ……」



梨柚の声の震えは止まらない。

本当はどんなときだって涙は流してほしくないのに、今は涙さえも
愛しい。



「なにを?」

「すきって…言葉……」

「じゃあ今、言ってよ」



自分で言いつつ、にやけてしまう。

こんな意地悪、言う必要ないのに。
なんで幸せなときって、意地悪をしたくなるのだろう。


でも…




「…すきだよ……

…灯耶」




梨柚には意地悪なんて通じないらしい。

だってその分、こっちがどきどきさせられてしまうのだから。



< 154 / 180 >

この作品をシェア

pagetop