ぴか★すき
また、梨柚を少しだけ離す。


そして返事も聞かずに
ゆっくりと顔を近付ける。



あと10センチってところで梨柚が口を開いた。




「私は…
隣を歩くだけじゃ、嫌だよ。


一緒に歩きながら…

手を繋いでいたい」



梨柚は最後の涙を一粒流しながら、まぶたをおろした。






感触を確かめるように
ゆっくりと重なった唇は
この前のキスなんか
比べ物にならないくらい


リアルで
やわらかくて
愛しくて


「このまま時が止まってしまえば」
「このままずっと離れなければ」


長い長いキスを
奇跡みたいに感じながら
頭の中はそんな想いでいっぱいだった。




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