ぴか★すき
くっついていた唇が離れてから、私たちは、自然に手を繋いだ。


それから―――






――「もうこんな時間だね」




ふいに灯耶が口を開いた。

もう遅い時間だってことはわかっていたんだけど、
少しでも灯耶と離れるのが嫌だった私は、何も言わず俯いた。

すると灯耶は、繋いでいない方の手で私の頭をなでた。




「送っていくよ」




…それなら、帰ってもいいかな。


簡単にそう思えてしまった私は、子どもなんでしょうか。


でもさっきのキスは、
優しい灯耶の手のひらは、
少しくらいの時間なんて埋めてしまうほど、温かかったんだ。


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