ぴか★すき
「よっ!と〜うや♪」

「よう。
…今日、彼女は?」

「おいおい、それ聞いちゃう?」

「聞いちゃう」

「…へんっ。
どうせ昨日振られましたよ。

『六哉[ロクスケ]、
どうせ私よりサッカーが大事なんでしょ!』
っつって。

サッカー大事にして何が悪いんだよって感じ」


六哉は、
聞かれて嫌がったくせに、しゃべりだすと止まらないようで、
その彼女の口まねまでして話した。



僕はその3分の2を聞き流してから、
口を開いた。


「なあ、『M.F.F』って知ってる?」

「それって雑誌の?」


僕はうなずく。


「ああ、『メンズ.ファン.ファン』だろ、
郷田零斗とかの。

おいおい、バカにすんなよ!」


ふーんと僕は鼻を鳴らした。



そのあとも、
六哉はひとりでずっと彼女の愚痴をしゃべっていた。


僕はそれを、
名刺を見ながらまた聞き流した。



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