ぴか★すき
本当に興奮してしゃべり続ける零斗さんを見て、
ごみ箱に名刺を捨てなかった自分が、
本当にえらいなーと思えた。



「…わかった」

「へ?」

「俺、なる」

「…何に?」

「モデル」





———…零斗さんはそのあと、
すっごい声で叫んで、何回もつまずき、こけながら、


『藍耶ちゃーん!
灯耶が矢口さんっ!
唐揚げっ、赤飯〜っ!』


と言いながら走って行った。


静かになったリビングでひとり、僕は携帯に電話番号をうちこんだ。


「もしもし、矢口さんですか?

…今日声をかけていただいた、大目ですが」




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