ぴか★すき
「ちょっ、灯耶ぁっ?」


いつも大目くんの横にいる、
サッカー馬鹿で遊び人なことが有名な私の幼なじみ、六哉が呼びかけても、
大目くんは足を止めない。



そしてついに私の横まで来ると、私の肩にするりと腕をまわし、
涼しげな笑顔で口を開いた。




「片山さんと話あるから☆」


そう言うと、
私の肩に手をまわしたまま歩き出した。




もちろん私は、
訳がわからないまま、
大目くんに連れられるまま、こけないように必死で歩く。


普段はこけることなんてめったに無いんだけど、
今は心臓が一歩踏み出すたびにうるさくなって、
気を抜くと足がもつれて転んでしまいそう。




……どうしよう。


今までいろんな話描いてきたのに、
こんなの知らない!



もう1回目が合ってしまったら、
心臓が止まるか、穴があいてしまいそうな気がして…
こわくて大目くんの顔すら見れない。

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