ぴか★すき
《『田中、この問題解いてみろ』

(どうしよー!
こんな問題、
わかんないよー…)

『y=56x+9』

『え…?』

『どーせわかんねーんだろ。
y=56x+9だよっ』

どきっ…》



私は必死で思い出して、それを絵にする。

この間の授業のとき、私の前の席の中野さんに、
大目くんはこんな感じで答えを教えてあげてた。



(『どーせわかんねーんだろ』とかは言ってないけど。

答えだけを教えてて、私には早く答えない中野さんにイライラしてるように見えた)



この主人公と一緒で、中野さんは真っ赤になってた。


「ふー…やっと解決…」


ひとりごとを呟くと、急に眠気が襲ってきた。



――夢の中では、
初めてマンガを描いている私がいた。

初めてマンガを描いたのは中1のころ。

わがままな妹にせがまれ、
そのとき人気だったマンガのコピーを描かされた。

初めて描いたにしてはなかなか上手く描けて、
妹に乗せられるまま、
ストーリーはいろんな小説を部分的に繋げてつくり、
それに合わせた絵を描く。


…気付けばデビュー。


そしてもう1回気付けば、
マンガ家やってもう3年になる。




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