ぴか★すき
「じゃなくて、今は梨陽先生か。

さっそく演技、教えてもらおうと思って」



そう言うと大目くんは、かばんから何かを取り出した。


「あ…それ…」

「え?
…ああ、うん。

まだ台本できてないみたいだから、買っちゃった」



大目くんが手にしていたのは、
《ふたり傘の下で》。



「買ってくれたんだ…」



私がそう言うと、大目くんは急に体を私の方に向けた。


それだけで、私の心臓はびくんっと跳ね上がる。
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