ぴか★すき
ああ…忘れてた。

ここに来た時も無我夢中だったから…
誰かに見られちゃったかも。


うーん、と、僕はどうするか考える。

そのとき、片山さんのめがねが目に入った。


「じゃあこれ、かしてよ」


僕の指が、片山さんの頬に軽く触れる。
そしてめがねをすくいとり、自分にかける。



「どうせこれも、ダテなんでしょ?」


片山さんが、小さく頷く。
そして僕は、ほぼ無意識に片山さんの手を取り、歩き出した。






———…もう、なんで。


頬に触れた瞬間、顔を赤くしたの?

俺がめがねをかけるときに、目を離さなかったの?

握っているこの手が…


なんでこんなにも、あついの?——



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