ぴか★すき
「あたしも、だよ」
「…え?」
「凪月のことが、すき。
凪月がキスしてくれたときも…本当は嫌じゃなかった。
恥ずかしくて、恥ずかしくて、逃げちゃったけど。
そのあとも、避けちゃったけど。
本当は……」
——それはまるで、時が止まったような。
——それはまるで、急に花が開いたような。
心臓も、思考も止まって、僕のすべてがそれに預けられたような、そんな感覚に陥る。——
それまで顔をななめ下に向け、表情を僕に見せなかった片山さんが、ふいに顔を上げる。
そして、グロスで輝く、普段よりも立体感のある唇を、ゆっくりと動かす。
「だいすきだよ」