ぴか★すき

―――…――

「はあ〜〜ぁあ〜…」


無駄に長いため息をひとつ、こぼしてみる。
だからって、あの気持ちがいっしょに出て行く訳でもなく。
出て行く代わりに入ってきた、切ない気持ちに嫌になるだけ。


もう、メールを無視し続けて1週間。
私はもう返事をかえしていないのに、大目くんからのメールは止まらない。



…私みたいなのに、メールしてる暇あるの?
メールしてて、いいの?
大目くんの中で、私はただの「知り合い」ではないんだと、
期待してしまってもいいの……?



そこまで想いをめぐらせてから、また「ふうっ」とため息。

なにがしたいのかなあ、私は。
「あの日」から逃げるために、大目くんのメールを見て見ぬフリなんかしちゃって。


「はあ〜あ…」



編集社のソファにもたれかかり、私はさっきから何回ため息をついたんだろう?


< 88 / 180 >

この作品をシェア

pagetop