ぴか★すき
ガチャッ!
ドアが開いたのは、本当にいきなりだった。
私はその時、ちょうど大目くんの位置から死角の場所にいた。
——本当は、すぐに隠れなくちゃいけなかったのに。
日頃見せない、呼吸の荒い大目くんを見て、
私は少し見とれてしまっていた。
私が見とれている間に、大目くんに1番最初に近付いたのは、
佐々木さん。
「どどどどっ、どうしたの灯耶くん!」
今は、佐々木さんの言動すべてが演技に見える。
「片…梨陽先生は?
…いらっしゃいますか?」
「あ〜…」
佐々木さんがわざとらしく言いよどむ。
そこでやっと我に返った私は、急いで社長室へ逃げ込んだ。
…どうか…
見つかりませんように……!
そう願いながら社長室に入った。
でも、隠れられそうな場所なんてなくて。
私は苦し紛れに、社長の大っきくて分厚い机の下に隠れた。