ぴか★すき
大目くんは、ゆっくりと頭を縦に動かした。
軽く、深呼吸をしてみる。
どきどきしちゃうし、
なんで今自分がこんなことしようとしているのかわかんないし、
…怖い。
過去の自分をさらけ出すのは、こんなにも…
怖いんだ。
「信じられないとは、思うんだけど。
私、前の学校では、いわゆる「目立つグループ」にいて。
髪も茶髪、クラスでの権力はある意味絶対的だったし、先生も私とか、その周りの人達に関わるの、
めんどくさがってたっていうか…
まあ、そんな感じだったの。」
大目くんはいつも通りの無表情。
でも私は今、すごく緊張してるよ。
昔の自分を話すなんて、初めてのことで。
しかも、その相手が大目くんで。
普通、メール返さなかったのなんでだって聞かれて、
昔話なんて、しないよね。
「で…。
そのグループの中に、カップルがいたんだけど、
その女の方と私は、親友だったん…ですよ。
その男の方は…まあいろいろあって、
私がマンガ家やってること知ってたの」
女の顔は、もう思い出せない。
思い出したくも、ない。
けど、男の顔は、思い出す。
嫌になるほど、リアルに。
だってあいつは、今でも…——