あの子と私
お父さんだって、両親が揃ってるだけでも有難いって言ってたし、お母さんにも何故だかあんなに嫌われてるし。

真雪は私と話しながら、どんどん料理を作り、テーブルの上に並べて行く。

本当に真雪ちゃんって料理が上手いんだ。

お母さん、これを見たら少しは真雪ちゃんに優しくするかもしれない。

色とりどりの料理が並べられ、私は少し興奮して真雪に言った。


「凄ーい!お母さん、喜ぶと思う。私…呼んで来るね」

「うん」


真雪は恥ずかしそうな顔をして、私は急いで母親の居る部屋に行き、ドアをノックする。


「お母さん、アリスだけど」


一瞬間が開き、母親の声が聞こえる。


「…何?」


私はドアを開け、母親に言った。


「お母さん、お腹空いてない?ご飯出来てるよ」


母親は暗い顔をしたまま答える。


「お腹は…余り空いてないわ」

「沢山作ったんだ。お母さん、一緒に食べよう?」

「アリスがそんなに言うなら…少しだけでも頂こうかしら」

「うん」


母親と一緒にキッチンに向かう。

お母さん、あの料理を見たらビックリするだろうな。

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