あの子と私
そして食卓に近付いた時、母親が言った。


「アリスが何を作ってくれたのかしら」

「えっ?」

「勉強しかやらせてなかったのに、いつの間に料理まで出来るようになったのかしら。やっぱり私の子供ね」

「……」


おかあさん、私が作ったと思ってる?


『やっぱり私の子供ね』

なんて言われて、私が作ったんじゃないって知ったら、ガッカリする……?


どうしよう

先に食卓に入り、後から母親が入って来ると、母親の視線は真雪に向き、一気に顔色を変え、唸るような声で言った。


「もしかして…アンタが作ったの?」


真雪は母親の態度に気まずそうな表情を浮かべ、小さな声で震える様に言う。


「…お口に合うか分かりませんが…」


真雪がそう言うと母親は凄い勢いで怒鳴り声をあげた。


「食べないわよ!!あの女の娘が作った料理なんて、毒が入ってるかもしれないわ!アリス!!貴女も食べたらダメよ?!気持ち悪い!!」


母親は私と真雪の目の前で真雪が作った料理を次から次へと、三角コーナーに捨てていき、三角コーナーが溢れていく。


そして私と真雪に向かって大声で言った。

< 101 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop