あの子と私
ヨシとトモ、今日休んだりしてないよね?


いつもより少し急ぎ足になって学校に着くと、教室の雰囲気がいつもとは違う。

何かソワソワしてる感じ…?

ヨシとトモは私より早く来ていて、席に座ると二人は私の所に来て言った。


「おはよ、アリス。昨日は大丈夫だった?」


真雪の顔が頭の中に浮かぶ。


「あ…うん。大丈夫だった。昨日はごめんね」

「いいよ、大丈夫なら。ねっ?」

「あぁ」


それより


「何かみんながいつもとは違う感じだけど、昨日何かあった?」

「あー、何か転校生が来るらしいよ」

「転校生…?」

「あぁ。何か崎田が偶然見掛けたらしくてさ、滅茶苦茶奇麗だって言ってて、皆浮かれたんだよ}


もしかして…真雪ちゃんの事?

そう思った時ヨシが言った。


「どんな可愛い子でも、白百合さんには敵わないよ」


白百合さんって誰?

初めて聞く名前に胸がズキンとする。


「白百合さんって…?」


私の問い掛けにトモが少し呆れた顔をして答えた。


「この前駅で声掛けたんだってさ。振られたらしいけど」


その言葉に動揺していた気持ちが落ち着く。

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